パルナソスホール(姫路市立姫路高等学校音楽ホール)

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パルナソスホールブログ

2021年9月6日 更新

はじめてのフルート教室

パイプオルガンでおなじみのパルナソスホールで、フルート教室が開かれているのをご存じですか? 指導にあたるのは、日本で初めてフルートをつくった「村松フルート製作所」の「ムラマツ・フルート・レッスンセンター」を中心とした講師のみなさんです。

8月29日には「夏休み! はじめてのフルート体験」が開催されました。

参加してみました

息を吹く練習から

パルナソスホールの舞台上に、参加者が集まってきました。講師によるプレゼント演奏「愛の挨拶」の美しい音色にうっとりする間もなく、さっそく体験開始です。

「人差し指を横にして下唇の下に当て、正面に向かってフーっと息を吹いてみてください」。

フー……?

「人差し指には当たりませんよね。では、人差し指はそのままに、小指を伸ばして息を吹いてみてください」。

フーっ。おっ、小指の先に風を感じます。

「そうそう。その要領です。では実際の楽器でやってみましょう」。

えっ、もう?

本物のフルートにドキドキ

村松フルート製作所の協力で、参加者一人ひとりにフルートが用意されています。まずは口を当てるパーツ(頭部管といいます)のみをハーモニカのように両手で持ち、音を鳴らす練習から。さっきの要領でフーっと吹いてみると、「ポー」という音が鳴りました!

 

 

次は、ずらりとキーが並ぶ本体部分を取り付けて、「ソ」「ラ」「シ」の練習です。きれいに磨き上げられたフルートは繊細で美しく、ドキドキします。指づかいはリコーダーと同じ。左手の人差し指、中指、薬指でキーを押さえると「ソ」の音が出ます。おお、あちこちから「ソ」の音が響いています。講師が「みなさん、すごいですよ!」と大絶賛。参加者2~3名にひとりのサブ講師がついていて、下唇を当てる場所や指の様子などを細かくチェックしていきます。

レッスンの合間には撮影タイムも! 参加者のみなさんは講師にスマホを渡し、ぎこちなく…… いえ、堂々とフルートを構える姿を撮影してもらっていました。

演奏できた!

「ソ・ラ・シの3音が出るようになりましたね。それでは合奏しましょう!」

えっ、もう?

曲目は「チューリップ」。「さいた さいた」「ならんだ ならんだ」、最後の「きれいだな」を参加者全員で、残りの部分は講師が演奏し、1曲が完成! 50分という短い時間なのに、なにこの達成感! もうちょっと吹いてみたいんですけど!

レッスンの最後には「ファイフ」のプレゼントも。ソプラノリコーダーを横向きにしたような楽器で、指づかいの練習用とのことです。

ハンドメイド・モデルにこだわるパイオニア

ところで「村松フルート製作所」って?

創業者の村松孝一氏が1923年(大正12年)に製作を始めて以来、一貫して手づくりでフルートを製作しています。現在では100名ほどの職人の手によって年間5千本以上がつくられており、ウィーンフィルやベルリンフィル、N響、読響など国内外の奏者が好んで使用。「世界のムラマツ」と呼ばれています。

フルートが音楽への入口になれば

村松フルート製作所普及事業部の担当者に聞きました。

―――なぜ未経験者向けのレッスンを始めたのですか。

フルート専門店ですので、フルート経験者やフルート奏者のバックアップを長く行っていました。しかし、まったくフルートにふれたことのない方々に楽しさを味わっていただくことが、これからは必要なのではと考えました。フルートをきっかけに、音楽的・文化的な土壌がどんどん広がっていけばいいなと思い、演奏会終演後、興味のある方に実際にふれてもらうことからスタートしました。その後、ワークショップを開いたり、半年や1年の講座も行うようになりました。

 

―――レッスンの特長は。

講師はオーケストラや室内楽の豊富な経験をもち、音大などで指導している人がほとんどです。フルートを身近に感じていただきたいので、服装はわりとカジュアル(笑)。飾らず、気さくに、分かりやすく的確にアドバイスします。楽器はやはり、専門の場所で、専門の人に習うのがいちばんの近道だと思います。

 

―――フルートは敷居が高いイメージがありますが。

「ピアノを習っています」と言われて「ふうん」と思う人も、「フルートを習っています」と言われると「すごい!」と思うのでは。でも、フルートはまったく敷居が高いわけでも、難しいというわけでもないんです。子どもの頃、ビール瓶の口に息を吹きかけて「ボオー」ってやりませんでした? フルートはあれと同じなんです。

 

―――たしかに、思いのほか簡単に音が鳴りました。

「吹けた!」という達成感を味わってほしいです。フルートは何歳からでも始められます。いままで憧れていた方、演奏してみたい方はもちろん、「音楽を楽しみたい方」に受講してほしいです。この教室が、フルートだけでなく、音楽そのものへの入口になればうれしいです。

フルート、始めてみませんか

指を駆使し、腹式呼吸をするフルートは、健康に良い楽器だと言われています。レッスンセンターには小学生から80歳代半ばの方までが通っており、何年も継続して学び、また、一生の趣味にされている方も多いそうです。

 

10月にはパルナソスホールで「フルート未経験者のための はじめてのフルート教室」第2期が開講します。

初心者向けではなく、初めてフルートにふれる小学5年生以上を対象とした90分のグループレッスンで、来年3月には発表会も予定しています。午後と夜間の2クラスがあり、定員はそれぞれ10名程度。フルートは無料で借りられます。

締め切りが迫っています! 興味のある方はぜひお問い合わせください。

(2021年8月@パルナソスホール 取材・文:鷹居美紀)

フルート未経験者のための「はじめてのフルート教室」第2期 受講生募集

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