パルナソスホール(姫路市立姫路高等学校音楽ホール)

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パルナソスホールブログ

2023年7月29日 更新

第26回 姫路パルナソス音楽コンクール受賞者インタビュー【ピアノ部門】

【弦楽器部門(6月25日(日)開催)】

第1位/国際ソロプチミスト姫路特別賞 細川萌絵さん(ピアノ)

――演奏を終えて、今のお気持ちは。

まさか1位を受賞できるとは思っておらず、本当に驚きでいっぱいです。審査員長の池辺晋一郎先生はじめ、すばらしい先生方に演奏を聴いていただき、このようなありがたい評価をいただけたことを心から嬉しく思います。改めて発見した反省点や、先生方にいただいたご講評をこれからの成長に繋げていけるよう、今後も精進したいと思います。

 

――パルナソスホールで演奏してみて、いかがでしたか。

とても響きの良いホールで、演奏中にも残響のすばらしさに驚きながら演奏しておりました。パイプオルガンや天井、ロビーのステンドグラスに至るまで美しく、素敵な場所で演奏させていただけて幸せな気持ちでした。

 

――どのような作品を専門に勉強していますか。

クラシック音楽を勉強しています。特にベートーヴェン、ショパン、リスト、ラヴェルの音楽が好きです。これまでドイツロマン派の作品を多く演奏してきましたが、シューマンはまだしっかり勉強したことがないので、今後勉強していきたいと考えています。スペインや北欧の音楽にも興味があるので、これから取り組んでみたいです。

 

――目標にしている演奏家と、将来の夢を教えてください。

ベルマンやブレンデル、キーシンが好きです。心に迫る意志のある音、説得力のある豊かな音楽性に惹かれます。将来は演奏家として、あまり知られていない作品などもレパートリーに組み入れ、作品の魅力をより多くの人に伝えていけるようなピアニストになりたいです。

 

――受賞者演奏会への抱負や意気込みをお聞かせください。

もう一度パルナソスホールの舞台で演奏させていただけることを、今からとても楽しみにしています。ホールの豊かな響きを存分に楽しめるようなプログラムにしたいと考えています。他の受賞者の方々の演奏もすばらしいことと思いますので、ぜひ足をお運びいただけましたら嬉しいです。

 

《プロフィール》

1998年生まれ。大阪府出身。東京藝術大学音楽学部を卒業。京都市立芸術大学音楽研究科修士課程を首席修了。併せて大学院市長賞を受賞。第28回フッペル鳥栖ピアノコンクールフッペル部門第3位。第55回カワイピアノコンクールSコース金賞。

第2位 板舛李空さん(ピアノ)

――演奏を終えて、今のお気持ちは。

すばらしい先生方に評価を頂けたことをとても嬉しく思っています。この曲はとても体力を使うので、かなりバテましたが、のびのびと演奏することができたと思います。

 

――パルナソスホールで演奏してみて、いかがでしたか。

残響の多いホールだったので、耳で処理をすることがとても大変で、音をしっかりと立てて弾くことを意識して演奏しました。また、このホールでオルガンを聴きたいなと強く思いました。

 

――どのような作品を専門に勉強していますか。

この作曲家! といった特定の方の作品を専門に勉強する段階ではなく、バロック時代に代表されるJ.S.バッハから近現代に代表される12音技法を扱うメシアンまで幅広いジャンルの曲に挑戦して、それぞれの作曲家の個性をしっかりと捉えて弾くことにこだわって勉強をしています。

 

――目標にしている演奏家は。

目標にしている方は横山幸雄さんです。10歳の時に、横山さんがショパン全曲を2日で弾くというあり得ないコンサートに行ってから現在に至るまで、憧れの存在です。将来は、パルナソスホールのようなすばらしいホールで、たくさんのお客様に囲まれながら演奏したいです。未熟ですが、まだまだ伸びる自信があります! もっと研鑽を積んで、人を感動させることができる独自の音楽性を持ったピアニストになります。

 

――受賞者演奏会への抱負や意気込みをお聞かせください。

今回、審査員の先生方にすばらしい講評を頂けたので、それを生かして、もっと深く勉強をして挑みたいと思います。来て良かったと思っていただけるように、精一杯弾かせていただきますので、ぜひお越しください!

 

《プロフィール》

2000年生まれ。第16回ショパン国際ピアノコンクール in ASIA 金賞・ソリスト賞受賞。霧島国際音楽祭に参加し、霧島国際音楽祭賞を受賞。ベートーヴェンコンクール in asia E部門第2位およびリリス賞、テンポプリモ賞受賞。第25回万里の長城杯コンクール大学生部門第1位。現在、東京藝術大学音楽学部在学中。

 

第3位 住野光理(ピアノ)

――演奏を終えて、今のお気持ちは。

無事に演奏を終えられてホッとしています。自分なりに思い切って弾くことができたので、気持ちよかったです。

 

――パルナソスホールで演奏してみて、いかがでしたか。

小さい頃から何度も来たことがあるホールなので、「いつものだ」という感覚でした。よく響くホールに助けてもらいながら、なんとか演奏し切ることができました。

 

――どのような作品を専門に勉強していますか。

主に「現代曲」と呼ばれる、複雑な作りの曲を勉強しています。一般的には「聴きにくい」とされるのですが、誰にでも楽しんでもらえるように演奏したいと思っています。師匠の十八番であるベートーヴェンも勉強中です。まだまだですが…。

 

――目標にしている演奏家はいますか。また、将来どんな活動がしてみたいですか。

藤田真央さんです。演奏はもちろん、お話も面白いので憧れています。海外ですと、ポゴレリチの大胆な音楽は昔から大好きです。最近ではイム・ユンチャンの悪魔的なテクニックに衝撃を受けました。将来は、プロコフィエフの協奏曲でオーケストラとの共演を経験してみたいです!

 

――受賞者演奏会への意気込みをお聞かせください。

抱負は「無事に演奏を終える」です。頑張ります!

 

《プロフィール》

2001年生まれ。第29回兵庫県学生ピアノコンクールE部門最優秀賞(第1位)。第12回クオリア音楽コンクール大学生の部第1位。イタリアのMuseo Carnico delle Arti Popolariにて演奏会出演。県立西宮高等学校音楽科卒業。現在、大阪教育大学4回生。

 

コンクール講評/審査員長 池辺晋一郎さん

表彰式にて

 

音楽の世界には本当に緻密な作業があります。音は立ち上がって、持続して、消えますが、それら3つの地点において、どのように立ち上げ、どのように持続し、どのように終わるかということを、極端に言うと、一つひとつの音について考えるわけですよね。「アーティキュレーション」と言いますが、それが良い音楽、すなわち人を感動させる、人を説得することができる音楽になるわけです。みなさんはそういう作業を日々、行っていて、それが聴いている人に伝わるかどうかを試すのが、このコンクールという場なのです。

どういう結果になるか、ということもみなさんはもちろん意識するでしょうが、大事なのは、この場で演奏し、先生方が聴いてくれて講評を書いてくれた、その体験を、これからの勉強や活動に生かすということです。それが、このコンクールの一番の大きな意義だと思うのです。

芸術というものは、人に伝わったときに完結するものです。一人で弾いて、誰も聴かなかったらそれは芸術にはなり得ない。伝えなきゃならないんです。そういう意味で、きょうはとてもすばらしい経験をしたと思います。さらに自分を磨き、自分の音楽がどのように伝わるのかという経験を重ねながら、より大きく、たくましく、すばらしく成長してください。(談)

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