5月15日(土)、16日(日)の2日間にわたって「第24回 姫路パルナソス音楽コンクール」を実施しました。兵庫県および姫路市の方針を受け、感染症防止対策を徹底した上で、無観客での開催となりました。
受賞者は次の4名です。なお、審査員長の池辺晋一郎さんをはじめとする審査員の提案により、今回は特別に奨励賞を設けることになりました。
最優秀 池辺晋一郎特別賞 北垣彩(きたがき あや)さん(弦楽器部門)
第2位 木戸海友(きど みゆ)さん(ピアノ部門)、渡辺紗蘭(わたなべ さら)さん(弦楽器部門)
奨励賞 金未卯(きん みう)さん(ピアノ部門)
受賞されたみなさんには、今年10月17日(日)に開催する「第24回 姫路パルナソス音楽コンクール受賞者演奏会」にご出演いただきます。最優秀 池辺晋一郎特別賞の北垣彩さんは、同演奏会にて日本センチュリー交響楽団メンバーと共演予定です。
演奏が終わってホッとしました。自分のなかで悔いのない演奏ができたことがいちばん良かったです。
きのう初めてここで演奏して、一音目を出したときに、響きがすごくいいなと思いました。余韻の感じも心地良くて、また本選で弾けることなったのがうれしくて。せっかくこんないいホールで弾けるんだから楽しんで弾こうね、とピアニストとも話していました。
人の心に残るような演奏ができるようになりたいです。ソロだけでなく、室内楽とかオーケストラとか、誰かと一緒に演奏する機会がこれからもっと増えればいいなと思っています。
入賞できると思っていなかったので、とても驚いています。きのうもきょうも、僕のなかでは反省点しかない演奏でしたので、それでも2位をいただけたことは自信になりました。2日間演奏して自分の音楽に対する弱さも実感しましたし、ピアノを弾く難しさも改めて感じ、いい経験をさせてもらったと思っています。
音楽のなかに第一にあるのが作曲家であって、作曲家の書いたこと、書いたときの心情などを汲み取って表現し、大きな舞台のなかでそれが一瞬でも現れたら、それはすてきなことだと思いますので、そういうことができる演奏家になりたいです。
まさか賞をいただけるなんて思っていなかったので、びっくりしています。有名な先生方に審査していただいたことはいい経験になりましたし、たくさん学ぶこともあって、それに賞もいただけて、とってもうれしいです。
とてもいいホールだと思います。予想よりも響きが良かったので、本選は予選よりももっとホールいっぱいに響かせようと思っていました。思い切って演奏できたので楽しかったです。
本番で思い通りに弾けなかった部分もあって、ちょっと悔しい思いをしていたので、特別に奨励賞をいただくことができてうれしいです。
舞台がすごく広いと感じました。右側には客席の空間があって、左の空間にはオルガンがあって、真ん中にいる感じ。響きもすごくいいし、楽しんで弾けたなという感じがしています。
自分が思っていること、表現したいことが、聴いていただける人と共有し合える、そんな音楽をつくりたいと思っています。舞台と客席が一体になる時間をつくる演奏家になりたいです。
みなさんお疲れさまです。無観客開催というのが残念ではありますが、コンクールというものは、ここで演奏する本人のためのものだと僕は考えています。結果がどうなるかということよりも、演奏という行為を考えることに、コンクールはとても役に立つと思うんです。スポーツなどもそうですが、演奏も、最終的な一瞬に賭けるわけです。審査員の前で、最も緊張しながら、最も集中して良い結果につなげる、そういうステージを自分で構成しなければならないことが大事だし、訓練になる。どの時代にもコンクール是非論がありますが、そういう意味では、コンクールは非常に意義があるものだと僕は思っています。
ただ、コンクールではよくあることですが、やや少し、背伸びしているかなと。ご自分のいまの実力よりも背伸びをして達しようとする努力は大事だし、演奏がアグレッシブになってもかまわないんですが、そのためにミスも出る、失敗も起きてしまう。でもそれも含めていいコンクール、というより、いいコンサートになったという気がしています。
審査員の先生方も言っておられましたが、きのうの予選、きょうの本選ともに、今回は非常に高水準、とてもいい演奏でした。先ほど申し上げましたように、本来の集中した姿を、集中した自分の音楽を演奏できたのではないかと思います。今回の経験をこれからの演奏活動に生かしていただければ、このコンクールも意味が強くなる。開催する側として、コンテスタントのみなさんにお願いしたいです。
審査員それぞれの方々にそれぞれのご意見があると思います。講評をこれからの糧にして、よりいっそう充実した演奏活動を進めていかれるよう希望します。