パルナソスホール(姫路市立姫路高等学校音楽ホール)

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パルナソスホールブログ

2022年7月1日 更新

第25回 姫路パルナソス音楽コンクール受賞者インタビュー

5月14日(土)、15日(日)の2日間にわたって「第25回 姫路パルナソス音楽コンクール」が開催されました。

このコンクールは将来性豊かな才能を持つアーティストを発掘し、今後の音楽活動を支援することを目的とするもので、受賞特典にはプロオーケストラメンバーとの共演も。これまでの受賞者はコンクール以降も姫路とゆかりをもちながら演奏活動を続けています。

 

今回は声楽・管楽器の2部門に14名の応募があり、予選、本選を経て次のみなさんが受賞しました。インタビューとともにご紹介します。

第1位/国際ソロプチミスト姫路特別賞 吉原未来さん(メゾソプラノ)

――最優秀賞受賞、おめでとうございます。

緊張していたものの、自分の演奏を楽しむことができました。また、第1位という素晴らしい賞を頂き、たいへんうれしく思います。これからも精進して参ります。

 

――パルナソスホールでの演奏はいかがでしたか。

パルナソスホールで歌うのは初めてでしたが、とても響きの良いホールで、歌っていて本当に気持ち良かったです。

 

――どのような作品を勉強していますか。

オペラや歌曲、宗教曲など多ジャンルにわたって勉強しています。特に好きなのはヴェリズモ・オペラ(注:19世紀末~20世紀初頭に現れたイタリアオペラの新傾向)ですが、メゾソプラノの作品が多いフランスものにも力を入れています。

 

――目標にしている演奏家は。また、将来どんな活動がしてみたいですか。

師事している先生が目標です。メゾソプラノとして、さまざまなオペラの役を歌い演じることが夢です。また、オペラだけでなく宗教曲にも挑戦していきたいです。

 

――10月の受賞者演奏会に出演されます。

日本センチュリー交響楽団のみなさまと共演させていただけることを大変光栄に思います。このような貴重な経験を与えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。この機会を今後の活動に生かせるよう、努力を重ねて参ります。

 

《プロフィール》

2022年3月にエリザベト音楽大学を卒業し、同大学院音楽研究科修士課程声楽専攻に在学中。第1回国際声楽コンクール東京、広島地区大会で大学生の部最優秀賞受賞。第75回全日本学生音楽コンクール大阪大会で大学生の部第3位受賞。

 

第2位 熊木夕茉さん

――コンクールを終えて、今のお気持ちは。

一度きりのステージで、集中力と冷静さを保って演奏することは決して簡単なことではありませんが、このホールで歌わせていただけることを心から楽しみにしていたので、集中してステージを楽しむことができました。これからも、魅力的な歌手になれるよう、前向きに研究を重ねていきたいと思います。

 

――パルナソスホールでの演奏はいかがでしたか。

とても楽しみにしていたので、本当に幸せな演奏時間でした。大きな舞台と広い客席、白い天井が魅力的なホールで、響きも良く、ぜひまた演奏させていただきたいと思いました。

 

――どのような作品を勉強していますか。

フランス語のオペラアリアを多く学んでいます。ほかにもさまざまな言語のアリア、歌曲に取り組んでいます。高い音やコロコロと転がるような音型が得意です。

 

――目標にしている演奏家はいますか。

フランス人のソプラノ歌手、サビーヌ・ドゥヴィエル(Sabine Devieihe)が大好きです。彼女のいつでも正確なピッチと素晴らしいコントロール、まっすぐな柔らかい声、美貌に憧れます。

 

――受賞者演奏会への意気込みを教えてください。

もう一度パルナソスホールで演奏させていただけることをとてもうれしく思います。5月の自分よりさらに成長して、より良い演奏をお届けできるよう、精進いたします。

 

《プロフィール》

大阪教育大学教員養成課程小中教育専攻教育コース卒業。京都市立芸術大学大学院音楽研究科声楽専攻に在学中。第27回KOBE国際音楽コンクール本選にて第2位受賞。兵庫県文化協会賞受賞。

 

第3位 谷萌香さん(サクソフォン)

――コンクールはいかがでしたか。

本選で演奏したデュクリュックのソナタは初めての本番だったので緊張もありましたが、響きが素晴らしいパルナソスホールでこの曲を演奏できたことをうれしく思います。そして、素敵な賞を頂くことができて光栄です。

 

――パルナソスホールでの演奏はいかがでしたか。

今回が初めてだったのですが、ホールの響きが素晴らしいという印象を受けました。演奏していて、無理をせずに自分の音が客席まで届く感覚があり、とても演奏しやすかったです。

 

――どのような作品を勉強していますか。

クラシックのサクソフォンを専門的に勉強しています。比較的、フランスの作曲家の音楽を勉強して演奏することが多いです。

 

――これからどんな活動がしてみたいですか。

目標にしている演奏家はたくさんいて、艶のある音色を奏でる方に憧れをもっています。現在は主にクラシックを勉強していますが、将来はさまざまなジャンルの音楽を演奏できる奏者になりたいです。

 

――受賞者演奏会への意気込みを教えてください。

10月にもう一度、演奏させていただけることをとてもうれしく思います。魅力的な演奏になるよう、そしてお客様に感動を与えられるように、しっかりと準備をして演奏会に臨みたいと思います。

 

《プロフィール》

奈良県出身。中学校の吹奏楽部でサクソフォンを始め、高等学校音楽科に進学。現在は同志社女子大学学芸学部音楽学科演奏専攻に在籍。第6回あおによし音楽コンクール管楽器高校生部門第1位。

 

コンクール講評/審査員長 池辺晋一郎さん

表彰式にて

 

コンクールにどんな意味があるのかという「コンクール是非論」というのがあります。それについてわたしは、よくこういうふうに考えます。

演奏というのは、ある意味でスポーツに似ているところがあって、本番の、その一瞬にすべてを賭けなければなりません。その瞬間に自分の最高のものを披露できるように努力し、準備し、発揮しなければならない。コンクールは、その一瞬を体験できる貴重なチャンスなのだと考えています。

この体験は必ずみなさんのこれからの演奏、あるいは音楽の考え方そのものに関わってくると思います。そのためにコンクールがあるのだと思うし、今回をきっかけにより一層、自分の才能を伸ばすべく努力を続けていただきたい。きょうの結果も、もちろん大事ではあるけれども、それよりももっと大事なものがあることを、心にちゃんと、とどめておいてください。(談)

 

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